ボトックス注射から 1年後の 医学的所見
ボトックス注射も、そろそろ Paradigm Shift を迎えようとしている、と感じます。医学雑誌 Muscle & Nerve 2017年2月号電子版論文「 Ultrastructural changes in human masseter muscles after botulinum neurotoxin a injection 」を見つけました。著者は、中国の Weifang Medical University の形成外科医師です。人間の顎を噛み合わせる筋肉にボトックスを注射し、6ヵ月後、1年後の筋肉細胞における微細構造の変化を顕微鏡を用いて調べました。その結果は、ボトックス注射による筋肉の変性は、注射後1年まで継続して観察される、というものです。注射で筋肉の麻痺を生じても、3か月経過すれば元に戻りますよ、とは言うものの、臨床経験からすると、1年までは継続することがあり、その科学的根拠が示されたひとつの研究報告と考えます。これからも、新しい科学的根拠が発表されるごとに、これまで言われていた常識が修正されていくことと期待されます。