片側顔面痙攣 脳神経外科手術 か ボトックス注射 か
片側顔面痙攣に対する治療として、ボトックスが使用されるようになったのは、わが国においては、2000年からのことです。それまでは、効果の乏しい内服薬と、効果の確かな脳神経外科手術が選択肢でした。
脳神経外科手術 の 利点
脳神経外科手術は、この病態の原因を正しく矯正する根本的な治療であり、上手に手術をしていただけば、それから先の人生は、何の心配も要らない快適なものとなります。出費も必要なくなります。
脳神経外科手術 における 不安なこと
開頭手術、全身麻酔は、怖いものであります。手術前には、リスクの説明があります。期待したくない結果が起こり、生涯、それを引きずることがあります。手術で一旦症状が消えて喜んでも、また同じ症状が再発してしまうことがあります。
ボトックス の 利点
脳神経外科手術に比べると、怖いことは、あまりありません。上手に注射すれば、良好な結果が得られます。手術で入院する日程を調整する必要がありません。
ボトックス の 不利な点
ボトック注射には、完全治癒させる能力はありません。症状を軽減して、生活や仕事に感じていた支障が楽になりますが、また元に戻ります。注射を続ける必要がありますが、それには、通院する時間と、出費が重なっていきます。年という単位で考えると、相当な金額になります。
それでは どう 考えるか
ボトック注射を続けていたから、脳神経外科手術がやりにくくなる、という事実はありません。60歳以下の方であれば、脳神経外科手術のお話をします。70歳以上の方では、ボトック注射をお勧めします。ボトック注射を一度経験してみるのは、理にかなった選択肢です。
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