頭痛に対するボトックス注射に、厳密な指針が示されました
眼瞼痙攣、片側顔面痙攣だけではなく、ボトックスは、多数の疾患に対して使用されています。
Headache という医学雑誌に、こんなに厳密に指針が示されるようになってきたんだ、と驚く論文がありました。
Headache 2017 57 (5) Insights into the Functional Anatomy Behind the PREEMPT Injection Paradigm: Guidance on Achieving Optimal Outcomes これは、無料でネット閲覧できます。
慢性の片頭痛に対してボトックスを注射し、頭痛を予防する手技を細かく規定しています。
Mayo Clinic 、Stanford 大学、UCLA など、米国の錚々たる医学部が共同で執筆したものです。これまでに発表されている指針の最新版になります。
読んで、なるほどと感じることは、効果を高め、副作用を減らすための指針であること。一番大切なことは、各筋肉の解剖、動き、血管支配を知ること。そして何よりも、毎回、個人差を考えて投与部位、量を考えること、と個別に熟慮して注射することを求めています。
いまから15年前に、米国人医師と質疑応答したときには、日本人にくらべて大雑把だなあ、という印象を持ったものですが、現在では、日本よりも高度に厳密な施療になっているのかもしれません。読んでみて、これはすごいな、と感じる指針でした。